台湾基隆市になぜ岡山県人が住んでいるのか?

私は岡山県倉敷市出身で、2007年3月に岡山を離れ台湾の北東にある港町、基隆市に住んでいます。 台湾でのサラリーマン生活で感じた個人的な感想をブログで書かせていただいています。

台湾基隆市在住の岡山県人のブログです。

みなさんも海外旅行をする際、事前に海外旅行保険に加入したことがあるかと思います。ここ台湾でも同様な保険があり、日本に一時帰国する日本人でも加入することができます。

このブログでは実際その保険を申請する際に感じた問題点、及び私が後で知った台湾の国民健康保険の活用について紹介をしたいと思います。皆さんの参考になれば幸いです。

1.無保険での受診は10割負担
検討しよう海外旅行保険
台湾在住者である私は、日本の国民健康保険には入っていません。だから日本の医療機関を受診する場合、医療費は実費(10割負担)を覚悟しなければなりません。

以前、海外保険未加入の台湾人女性が日本滞在中に脳卒中にかかり、1000万元(約3400万円)以上の費用が必要になった報道がありました(報道は2019年8月31日 中央社フォーカス台湾)。



台北の桃園空港の出国エリアには保険会社が数社ブースをだしており、そこですぐに保険の手続きができます。都合で一週間ほど日本に帰国する際、私も念のため海外医療保険に加入することにしました。

2.保険申請には認証が必要
苦しくても診断書は忘れずにもらおう
日本に帰国して数日後、私は急に下腹部が痛くなりどうにも我慢できなくなりました。ついには血尿まででるに及び、意を決して岡山県の倉敷市内の内科を受診することになりました。

病院では原因がなんともわからないものの、緊急性はとりあえずないと判断されました。

私はセオリーどおり、受付で「医療費+薬代(約14000円)」の領収書と「診断書(約4000円弱)」をもらいました。

帰宅後、早速保険申請のため今一度医療保険の注意文を読み返しました。すると思いがけない一文を見つけたのです。

保険申請に使用する諸書類は、台湾の在外出先機関の認証が必要(意訳)

台湾の出先機関(台北駐日経済文化代表処)は日本にいくつか拠点があるのですが、管轄が決まっており、岡山県での出来事は大阪の台北駐大阪経済文化弁事処に行かなければなりません。

即日認証サービスはないので、申請に1日、受領に更に1日かかります。認証費用は書類1件当たり1600円。また岡山から大阪まで往復で約1万円かかります。

代理人にお願いしようにも、平日に行ってくれるような知り合いもいません。これでは申請しても完全に赤字です。結局、私は申請を断念しました。

3.台湾の国民健康保険でも申請できる 海外の受診費用
台湾でも国民健康保険で申請ができる
このように、小額の医療費申請では海外旅行保険は割に合いません。だからといって、そのままあきらめる必要はありません。

実は台湾の国民健康保険でも海外受診費用を申請できます(逆に日本の国民健康保険に加入している方も、海外で受診した医療費を申請することができます)。

やり方は、持ち帰った領収書と診断書とそれらの翻訳文をつけて、地元の衛生福利部中央健康保險署で手続きをするだけです(台湾の銀行通帳を持参することを忘れずに)。

この時提出した日本の書類は、台湾の出先機関で一切認証を受けてません。

申請から2ヶ月の審査を経て、医療費分のお金が申請書に記載した自分の銀行口座に振り込まれます(但し診断書費用は出ない)。

4.結論
ご家族のためにも海外保険は是非加入を!
            家族のためにも入ろう 海外旅行保険
私が考えるに、こうした海外旅行保険は通常の病気や怪我のためではなく、あくまで万が一のためのものだと割り切った方がよいと感じました。

しかし先に紹介した脳卒中の台湾女性の例を見れば、やはり海外旅行保険は加入しておいた方が無難だと感じます。

(注)申請関係は流動的なので、やはり事前に関係機関に確認をしておいた方が良いと思います。
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印鑑証明のない海外在住者は役場でつまずく
先日から、コロナ渦中に日本に帰ったり、台湾に戻ったりといった時の状況をブログで書かせていただいております。





なぜ、こんな渦中にこんなことをしていたのか?

理由は、日本の父がちょうどコロナの時期に重病になり、そして亡くなったからです(コロナではありません)。

日本に両親を残し、海外でご活躍をされている皆さんもひとごとではありません。コロナ渦中かどうかを問わず、いざという時どういった困難があり、どんな準備が必要か?私の経験が皆様の参考になれば幸いです。

1.海外在住者はすぐに公に出れない(コロナ渦中の場合)
海外在住者はすぐに外出できない
私が帰国した2020年5月初旬は特に緊急事態宣言下であり、日本国中がコロナにかなりピリピリしていた時期です。

県外の移動も自粛しているなか、海外帰国者が早々に公に出れるわけがありません(実は空港のPCR検査で陰性だと確認しているので、日本在住者よりは確実に問題ないはずですが・・・)。

自宅謹慎の14日間は、病院に見舞いやお葬式の参列など不可能です。またご近所の目が大変気になりました。

ですから、もしコロナ渦中に日本に緊急で戻るときは、早いにこしたことはありません。

2.海外在住者は、手続きの負担が大きい
お葬式等が終わると、年金の手続き、故人の名義変更、その他で、役場、年金事務所、法務局、金融機関など足繁く通う必要がでてきます。

これらに共通して言える事は、「平日しか空いていない」ということです。

私の兄弟は当然平日は仕事があり、母は運転もできず、手続き内容がイマイチ理解ができていない。となると、しばらくはすべて海外から帰ってきたあなたに手続きをお願いされることになります。

手続きを以下に効率的に行うか、事前に書籍などで十分予習しておくことをお勧めします。また、書籍の内容がすべて正しいというわけでもありませんから、訪問前に電話などでそれぞれの機関に確認だけとっておいた方が良いです。

3.日本に住所のない海外在住者は、印鑑証明でつまずく
一般的に海外に在住している方は、日本の住民票を抜いているはずです(でなければ税金が毎年請求されます)。

となると困ってくるのが、手続きにあなたの住所を書くときです。

家族の戸籍謄本など比較的一般的な書類であれば、発行申請時に窓口でその旨を告げれば特に問題ありませんでした。

しかし、故人の名義変更、相続関係になると、「実印」が求められます。勝手に三文判の認印ではだめです。印鑑証明が必要です。

印鑑証明は、住所地を管轄する役所が発行するものなので、日本に住所がないと国内ではどこも発行してくれません。

自分が居住する国・地域の日本在外機関で、印鑑またはサインの認証を受けなければならないのです。だから、事前に準備しておかないと一度また海外に戻らなければならなくなります。

ちなみに台湾では、交流協会で印鑑証明の手続きができます。

以上、私のつたない経験ですが、今後の皆様のお役に立てば幸いです。
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コロナ渦中でありましたが、先日日本から台湾に戻ってきました。


新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、台湾ではしばらく外国人は原則入国禁止でした。しかし私が台湾に入国した日(2020年7月4日)の少し前から、観光・就学以外であれば台湾当局から特別な許可があれば入国できるようになりました。

しかし台湾到着後、外国人であろうと台湾人であろうと、台湾での住居あるいは指定された場所で14日間待機する「居家検疫」(在宅検疫)が義務付けられています。

このブログでは、こんな厳戒態勢のなかどうやって台湾の自宅に帰ってきたかについて書かせていただきます。

1.拍子抜けの台湾入国
台湾入国時に検疫に見せたスマホの画面
関空からは昼過ぎの飛行機に乗って、午後3時過ぎに台湾に着きました。乗客は以前(2020年5月2日)台湾から搭乗した時(搭乗者14人)より3~4倍はあったように見えました。日本人も多く、赤ちゃん連れの若い夫婦もお見受けしました。それでも飛行機内はがらがらです。

また日本のように検疫でPCR検査とかで時間がかかるだろうと早足で先を急いで出てきたのですが、なんと桃園空港では検査は全くなし。

(日本入国時の検疫状況はこちら)

おなじみの体温を測る検疫ブースを越えると、係員から旅客居家検疫電子申報証明という検疫事前申告システムから送信されてきたショートメッセージを出すよう促されます。メッセージのリンクをクリックすると、日本出国前に入力した内容が表示されます(上の写真 左がショートメッセージ 右がシステム入力内容の確認画面)。

これを確認して、検疫は終了です(嘘の申告は15万元(日本円約54万円の罰金)です)。あのコロナ対策で世界のトップを走る台湾なのに、こんな簡単に入国できるのかとかなり拍子抜けです。

2.全身消毒と防疫タクシー
台北市内の防疫ホテル 画面左下にタオルが山積
これから14日間の在宅検疫になるわけですが、私は嫁が事前に予約をいれてもらった台北市内の防疫ホテルで過ごすことになりました。

台湾の自宅で過ごしても良さそうだと思ったのですが、年寄り(65歳以上)や子供(6歳以下)と同居ではだめだと規定があるようです。

大きな荷物を提げて桃園空港のロビーに出てきたのですが、空港はかなりがらんとしてこのまま家に帰ってもだれも気がつかないではないかと思えるほどほったらかしの状態です。

あまりに不安になってきて、インフォメーションブースのようなところにいた女性に聞いて防疫タクシー乗り場に連れて行ってもらいました。

そこはただの空港タクシー乗り場で、今はすべて防疫タクシーになっているようです。

乗り場近くにあるブースで受付をし、順番にタクシーに乗ってきます。普通の空港タクシーと違うところは、運転手がほぼ完全武装であること、乗客の服の上から大量のアルコールがふきつけられることです(万歳をさせられ、顔から下の全て、アルコール消毒です)。

3.Uber Eatsで始まる 14日間の防疫生活
部屋に準備された水14日分(30本)
私のホテルは台北西門町にあり、チェックインを済ますとすぐに部屋に通されました。部屋は至って普通です。

部屋には合計30本程度のミネラルウオーター、4回分くらいの歯ブラシやタオル、おかしの小さな袋、コーヒー粉などが準備されています。

部屋代は1500元/日で、別個に300元/日でホテル側が朝昼晩の食事をアレンジしてくれます。ただどんな食事かは完全ホテル任せなので、私はこの機会に台湾で今流行の「Uber Eats(デリバリーフードサービス)」デビューすることにしました。

UberEatの画面 食事だけが唯一の楽しみ
部屋から出ることはご法度で、誰とも面会はできません。会うことができるのは日に二回体温を測りにくるホテルの従業員と「Uber Eats」の配達員だけ。

しかし数日後から、体温計測もほったらかし状態(たまに忘れた頃にやってくる)。「Uber Eats」の配達員も受け渡しがホテルのフロントまでになってしまい、代わりにホテルの従業員が持ってきて部屋の戸ノブにかけて置くようになってしまいました。

また毎朝、台湾の中央流行疫情指揮中心からショートメッセージが入り、健康状態を回答しなければなりません(下写真の左と中)。更には外国人は警察外事科の監視下におかれているようで、ホテルを管轄する警察署から毎日ラインで連絡が入ります(下写真の右)。
左・中:中央流行疫情式中心から 右:警察局から
ネット環境は備わっているので平日は仕事をしていますが、しばらく誰にも会えないのはやはりさびしい。そして「Uber Eats」の食事だけが楽しみの隔離生活はようやく半分が過ぎました(2020年7月10日現在)。

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