台湾にも「歐吉桑(おじさん)」という言葉が存在する誰にしもいつの日か「おじさん」「おばさん」と呼ばれる日がいつか来ます。僕も年齢が41を超え、日本にいれば当然「おっさん」と呼ばれても仕方がありません。

しかし35歳くらいから台湾に移住したため、日本の子供に会う機会がほとんどなく、「おっさん」と呼ばれる洗礼はまだ受けていませんでした。

しかし、台湾で最近台湾人からの呼びかけで「自分がもうおじさんなんだ」と思わせる出来事が起こりました。

もう僕もシャチョーさんなんだ
ある日、台湾台北市内で弁当を買うために列に並んでいました。この付近はビジネス街であるため、ビジネスマンやOLで弁当屋は長蛇の列。弁当屋のおばさんは順番に前に並んでいる人から弁当の注文をとっていきます。

「帥哥(格好いいお兄さん)、どんな弁当買うの?」
「小姐(お姉さん)、なに買うの?」

そしてようやく僕の順番が来たとき、おばさんは言いました。
「後ろの老板(社長という意味)、老板は何買うの?」

僕より前に10人くらい並んでいたのですが、男性はみんな帥哥、女性はみんな小姐と呼んでいたのに、なんで僕だけ老板なんだ!?

思わず繁華街でアジア系のポン引きに「シャチョーさん、ヤスイヨ」なんて声をかけられている風景を思い出しました。

ああ、僕ももうあの「シャチョーさん」と同じなんだと、がっかりしてしまいました。せめて先生と呼んで欲しかった。

日本語のおじさん・おばさんほど楽な単語は無い
日本語では中年男性を一括して、おじさんまたはおっさんと呼びます。これほど便利な呼称はありません。でも中国語の場合、親戚のおじさんを呼ぶときは自分とその人の関係で呼称が変わります。

例えば母方のおじさんは舅舅、父方は叔叔。これでさらに一番上のおじさんだと大叔叔、二番目は二叔叔、三番目は三叔叔とかになります。台湾の義父や義母の兄弟姉妹が非常に多く、顔と呼称を一致して覚えるのが本当に一苦労でした。

また意外にも中国語ではなく、台湾のローカル言語である台湾語には日本語のおじさんにあたる「歐吉桑」という言葉があります。発音も日本語のおじさんとほぼ同じ。でもまだ幸いにも台湾の子供に「歐吉桑」とは言われていません。

もう朋友と呼ばれる日はないのか?
20数年前、まだ僕が学生で中国でバックパッカーをしていたころ、至るところで「おい、朋友」と呼ばれました。

「おい朋友、これは安いぞ、買え」「おい朋友、俺のタクシーに乗れ」「おい朋友、マネーチェンジだ」。

今会ったばかりで何が朋友だ!なんて言ってもお構いなし。

あれからもう中国に渡る機会はまったくありません。もしかすると、今はもう中国にいってもやはり老板と呼ばれるのでしょうか?今なら朋友と呼んでくれる方が大変ありがたいのですが。

普通の台湾ガイドブックに飽き足りた方におススメ