あなたは中国語で息子の宿題をみることができますか?
先日日本で衝撃をもって報道された川崎での13才の男の子が殺害された事件。殺人容疑で逮捕されたグループが「ハーフ軍団」と呼ばれていたことを知り、僕も台湾人とのハーフの子供を持つ親として関心を持たざるを得ません。ネットで以下のブログを読む機会がありました。
川崎での事件を機に-日本語が”できる”外国につながる子どもたち(すでにブログは見当たらず)。
NPO法人青少年自立援助センター/多文化子ども・若者日本語教室・田中宝紀-IKI TANAKA
この記事によれば
殺人をおかした事が事実だとしたら、それは決して許されることではないという前提で、
この事件の背景にある、外国につながる子ども(日本国籍/外国籍に関わらず保護者のいずれか、または両方が外国出身者の子ども等)が日本の日常生活で体験する困難を紹介しています。
特に
「日本語の日常会話に不自由しない外国につながる子ども」が、日本社会の中でどのような困難を抱えやすいのか、それはなぜなのか、ということについては様々な要因が重なり合う部分でもあり、簡単には理解を得られない。だからこそ困難である、と言える状況です。
というくだりは大変考えさせられました。
あなたは中国語でそろばんを教えることができますか?
子どもの学習環境に果たす家庭の役割は非常に重要
子供の学校生活において、家庭の果たす割合は非常に大きいです。勉強ひとつとっても、このご時勢、学校での授業だけでついていくのはどうしても難しいです。たとえば宿題。宿題には学力向上とともに勉強の習慣を身に着ける意味もあります。そんなとき鍵を握るのが家庭のバックアップ。
台湾でもお母さんが外国人(特に東南アジアや中国)といったケースをよく見ます。もちろん日常生活に使う中国語こそ問題はないと思われます。しかし子供が何を勉強していて、宿題の内容について子供の質問にどれだけ答えられるかは疑問です。
僕も息子が幼稚園でそろばんを勉強しているのですが、中国語で説明するのは非常に難しい。ましてや中国語の注音記号や、台湾語の読み方など聞かれてもさっぱりお手上げです。
あなたは学校からの連絡簿の内容がわかりますか?
連絡簿は学校と家庭を結ぶライフライン
また現在の台湾の学校生活、教育システムがかつて自分が日本で受けたものと同じなのか、なんともよくわかりかねることに非常に不安を感じます。学校が出す連絡帳を見ても、30数年前の自分自身の日本の学校生活に照らして、たぶんこういうことをいってきているのだろうと類推するしかないこともあります。
ただこの類推にしくじると、子供が学校で嫌な思いをすることになります。これを繰り返せば子供には「できない子」「おかしい子」というレッテルが知らず知らずのうちに貼られてしまうことは容易に想像できます。
現在の子どもの教育環境を理解しようとしても、台湾と日本との違い、そして時代の変化に伴う教育内容の変化といったことが合わさって、自分自身の類推にまったく自信がもてません。
まわりに同じような境遇の親(僕の例では台湾人と結婚した日本人)がいれば相談もできるのですが、基隆という日本人が極端に少ない地域にいるためそれもかないません。
もし日本で生活していたら?
外国人には厳しい?日本の学校生活
まだ台湾にいて、台湾人の嫁が教えることができるからさしあたって問題は起こっていません。ただもし日本にいたらどうなっていただろうなんて考えると少し怖い思いがします。日本で台湾人の嫁が日本語で勉強を教えることになっていたら、嫁も子供も大変苦労しているに違いありません。当然僕も手伝いますが、日本で働く限り残業は免れず、結局教育は嫁にまかせっきりになることは容易に想像できます。
そうなればこのブログにあるとおり、行ったことがない日本の学校事情を手探りで知るしかない外国人の嫁の負担は非常に大きいことが予想されます。また起こりうる数々の誤解から、子供自身周りから「おかしい子」「できない子」なんてレッテルを貼られることは容易に想像できます。
最近は日本と台湾の交流が深まり、日台カップルも増加していると聞きます。いずれできるであろう子供の将来、そして教育の問題についてもよく考えておきたい、川崎の事件の背景を知り、そう思った次第です。