とある事情で最近まで中国人観光客を対象にした台湾資本のお土産屋で業務の手伝いをしていました。
 
その店は辺鄙な郊外の幹線道路沿いにあるにも関わらず、毎日10台くらいの観光バスが入れ替わり立ち代わり中国人を連れてきます。どんな仕組みで中国人を呼び寄せているのだろうと興味がわき、こっそりそのからくりを探ってみました。
 
キックバックでつながる旅行会社、ガイドとお店
キックバックでつながる観光業界
中国人観光客の財布の中のお金をいかに使わせるかが思案のしどころ
現状、中国人観光客は団体旅行主体なので、旅行会社のツアーコースにいかにお店を組み込んでもらうかが大きなポイントになります。

さらにはツアーを引率するガイドらをいかに取り込んでいくかもかなり重要。ガイドが事前に中国人観光客にうまくお店の商品について説明してもらうだけで、店の売上も全く変わってきます。

そのためには、店側は旅行会社やガイドに多大なキックバックを提示する必要があります。

さらには店側も中国人観光客にしっかり売る努力をしなければ、ガイドらはもっと中国人客が喜んでたくさん買い物をする他店に逃げていってしまいます。

ガイドも旅行会社もキックバックが大きい収入源になっているので、その辺はかなり敏感。

さらにお店側は、客が何も買わなくても店に連れて来たお礼を払う必要があったり、バスの運転手やらにも心づけを出す必要があります。

いろいろなキックバックや、集客にかかる費用を考えると、商品そのものの仕入原価はかなり低いのではないかと思われます。

でもそんなことは中国人観光客には知ったことではありません。来る日も来る日も中国人様はウン十万円もする商品を購入していきます。僕の心中はかなり複雑です。

増え続ける中国人観光客
激増する中国人観光客をいかにとりこむか?
激増する中国人観光客をいかにとりこむか?
報道によれば、日本を訪れる中国人観光客の数はうなぎのぼりのようです。2014年11月の訪日中国人観光客数は、前年同期比103.6%の増加で、他国観光客を圧倒しています。

また、2014年7月~9月期の消費額で見ると、中国人観光客一人当たりの平均消費額が23万6353円と、前年同期比18.7%も増えているようです。

免税制度も改正され、円安の追風にも乗り、今後さらに多くの中国人観光客が、日本で買い物をしていただけると思われます。
 
岡山県のとる道 ショッピングツーリズム
岡山城に中国人観光客があふれる日が果たしてくるのか?
岡山城に中国人観光客があふれる日が果たしてくるのか?
岡山県は日本初体験の海外観光客に対して、正直これといってガツンと来るコンテンツに決定的に欠けています。

新幹線や高速道路など交通網が非常に整備されていますが、皮肉なことに観光客を乗せたバスや電車はそのまま岡山を素通りされてしまいます。

そこで岡山に海外観光客に特化したお土産屋を集積したらどうかと考えます。

特に関西・四国・九州など西日本を大きくまわるツアーのなかに、岡山県でまとめて買い物ができるようスケジュールを組んでもらうのです。

中国人が好む電化製品、薬、化粧品を当然のこと、ブランド品やらはては美術品、貴金属にいたるまですべて免税で購入できるよう取り揃えます。

そしてこれら購入した商品は、お土産屋から直接空港、もしくは最終日に宿泊するホテルまで配送をします。

もちろんガイドさんや旅行会社にはそれはそれはたくさんたくさんキックバックをさしあげます

さらには中国に岡山県の出先をつくり、商品のアフターサービスを受け付けます。もちろんそこはさらに岡山県に観光客を集客させる拠点としての機能をもたせます。

とここまで妄想しましたが、問題は中国経済がとれだけもつかということです。構想から実際に運営まで数年、それまでに中国経済がこけてしまったら・・・・当然岡山県も道連れです。


あなたもいっしょに岡山県のために一肌脱ぎませんか?

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