台湾基隆市になぜ岡山県人が住んでいるのか?

私は岡山県倉敷市出身で、2007年3月に岡山を離れ台湾の北東にある港町、基隆市に住んでいます。 台湾でのサラリーマン生活で感じた個人的な感想をブログで書かせていただいています。

Tag:ネット

台湾に日本人観光客が帰ってきた!
最近台湾を観光する日本人がまた増えているようです。

日本人観光客を相手に商売をされている台湾人の方にはうれしい話です。昨今台湾では中国の個人・団体観光客の受入を開始してから、やおら台湾中で中国人観光客が激増しました。

昨年(2011年)夏に台湾東部の観光地花蓮にいったのですが、駅前は中国人観光客でいっぱいで私も驚きました。

これから観光関係の商売も大繁盛になるのではないかと思われるのですが、僕が聞いたホテルの方の話によればそう簡単な話ではないようです。

なぜなら日本人と中国人をいっしょに受け入れることはむずかしいからだそうです。一方で静かで一方で常に騒がしい。

しかもやっかいなことに、日本人はその場ではあまりクレームをつけないが以後は絶対にこない。だから多くのホテルが今までとおり日本人をメインにうけいれるのか、将来のため中国人用に舵を切るのか見極めていると聞きました。

お店の広告事情
台湾観光の情報を仕入れる手段はたくさんあります。雑誌やネット広告でたくさんお店が紹介されています。お店の方もなんとか観光客を呼ぼうと必死です。

いくつかお店の経営者に話を聞くと、やはりまだ旅行ガイド雑誌に広告を掲載したほうがネットよりも効果があると言います。とあるマッサージ店は30万円かけて日本の旅行雑誌に1ページ広告を掲載したと聞きました。

ネット上でこの店の情報をみると客単価は1300円足らず(約500元)です。ましてやそのうちマッサージ師への支払、諸雑費、そして経営者の取り分などを大雑把に全体の9割くらいとして差し引いた場合お店に残るお金は約130円。

2308人お客さんがきて初めてペイできるということになります。超単純計算1日平均7人こなければならなくなります。

それでも雑誌広告を掲載すると経営者が判断しているところをみるとやはり対費用効果があるのでしょう。お店のほうは外から眺める限り、繁華街にあることもあり客の入りはいいようです。

台湾とネットとステマ
ネットでもいろいろ観光サイトやブログが乱立しています。よく見かける台湾観光サイトにお店の記事を掲載する場合月に約10260円(約4000元)程度かかると聞いています。

無論これも聞いた話なのでおおよそで考えます(もしかしたらもっと高いかもしれません)。先ほどのマッサージ店の事例で考えた場合(客単価あたりのお店取り分130円)、これだったら月に79人、1ヶ月30日計算だと1日に2.7人でペイできます。

これならまだ雑誌に広告を掲載することを考えたら精神衛生上かなりラクです。

ネットは特に若い方、自由旅行でくる日本人に効果的なようです。ただサイトの紹介内容をみても、広告代を払って掲載されているのでどの店もいいことしか書いていません。紹介文もどの店も似たり寄ったり。

口コミやブログについても、お店側が日本人に頼んでいいことを書いてもらったり、ライバル店の悪口を書いたりすることもあると聞きます(実際僕も頼まれたことがありました、断ったけど)。これって今流行の「ステマ(ステルスマーケティング)」になるんでしょうか?

楽しい台湾観光への提案
でも気にすることはありません。台湾のだいたいのお店は「ぼったくり」など自身の信用を傷つけるようなことはありません(よね?)。紹介されているようにいい店ばかりです(よね?)。

ネットがこれだけ普及している今、どのお店も悪い評判は瞬く間に広がることくらい心得ています。サービス料金もネットで簡単に比較できるので、どの店も厳しい価格競争にさらされています。

それだけに値段ではどの店も似たり寄ったりなので、それ以外の部分で違いを出そうと必死です。

こうした現状を考えるとしつこく値切ったり、何軒かはしごするのは時間的制約が大きい観光客にはあまり得策ではありません。

それよりは宿泊するホテルの近くで、時間をかけてお店の方と台湾のこと、商売のことなど思いつくままに質問するなどお話をしてみてはいかがでしょうか?日本語が堪能な方はたくさんいらっしゃいます。

みなさん日本人と話がしたくてうずうずしています。こうした方から直接お話をうかがうことでステマやメディアにだまされない本当の話が見えるかもしれませんよ。
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当然のことながら、現在台湾のどの会社もすでにPC環境が整えられ、仕事の手段としてメールが当たり前のように使われています。

またこれも当然のことですが、台湾でも仕事に専念しないPC通の方が職場を跋扈しています。多くの台湾の会社のPCのセキュリティを見たり聞いたりする限り、本当に無法地帯だなと感じざるをえません。

業務中なのにネットサーフィンに忙しい台湾人
台湾ではソーシャルネットワークを利用する人が非常に多いと感じます。特にフェイスブックやMSNを使っているのをよく見かけます。業務中でも良く見かけます。

お客様の会社に伺ったときも、ちらりと台湾人のPC画面をみると従業員は一生懸命ネットサーフィンしていました。一生懸命ブログを書いている姿に遭遇したこともあります。

いまやこういったソーシャル系は書き込んだ時間がでることもあり、つながりのある台湾人の方の投稿時間などみていると、このヒト、暇なんだなぁ、なんで僕はこんなに忙しいんだろうと世の中の不公平に憤りを感じる次第です。

また業務に関係のないサイトを見ていて、ウイルスに感染したというのはよくある話です。

自社のファイルサーバーにエロ画像満載という事例も
最近びっくりしたのが、「オフィスのPCはすべて社員が持参の私物です」という会社があったことです。仕事が終われば家に持って帰るというのです。

これってセキュリティもへったくれもないような気がするのですが、そこの社長いわく「弊社は社員を信用していますから」だそうです。

台湾のオフィスでは、業務に関係ないソフトをいれまくってPCが動かなくなったとか、P2Pファイル共有ソフトをこっそりとそしてガンガンに使われることで社内のネットの速度がかなり遅くなっていたりとかよく耳にします。

そんな人たちのPCを社内のネットワークに入れて、本当に大丈夫なのでしょうか?

また私用の外付けのハードディスクやUSBをとりつけたりするのは日常茶飯事。果ては社員が自社のファイルサーバーにエロ画像を満載に保管して、メンテナンス業者に指摘されるまで知らなかった日本人経営者もいたと聞きます。

台湾人は転職もさかんで、転職サイトや人材会社も乱立しています。やめる前にごそっと会社のデータが持ち出されることがあってもおかしくないような気がします。

多分持ち出されても、それをいおうものなら自社のセキュリティの程度が露呈するのでいうにいえないとは思いますが・・・。

台湾の日系企業は大丈夫?
台湾には非常に多くの日系企業が進出しています。台湾でトップを勤めている方の多くが駐在です。

どなたも日本で総務関係をされてきたわけではないので、こうした情報システム関係はよくわからないからと台湾人スタッフに丸投げしている会社が非常に多いと感じます。

台湾人の離職流動性もさることながら、日本人の駐在も数年で帰国してしまうことから、こうした情報システム関係もうまく引き継がれることもなく、やがてだれも自社のネットワーク関係はわからなくなってしまうそんな恐ろしい光景が繰り返されるのです。

その一方で日本本社からリモートで厳格にPCを管理したり、セキュリティに詳しい駐在・経営者がオフィスに生体認証を導入したり、セキュリティの国際資格をとったりしている会社もあります。

そろそろ台湾でも日本の個人情報保護法のようなものが施行されるようで、漏洩した場合下手をすると中小の会社では軒並みに確実にふっとんでしまう罰金額を課せられるようです。

個人情報を取り扱う取り扱わないにせよ、オフィスの入り口にセコムを取り付けるだけではなく、会社のネットワーク、PCに対してもそろそろセキュリティを検討する時期にきているのではないでしょうか?
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僕がいつも読んでいるサイトに「噺家のITな日々」という落語家さんのブログがあります。日本に帰ることが非常に少なく、日々進化している現在の日本の巷のデジタル事情を伺ううえで大変興味深くみています。

この「デジタルマナー、みんな気をつけようぜ」を読んで、なんだか日本も暮らしにくくなったなと感じました。

台湾の電車生活
それでは台湾はどうだ?ということで特に交通機関での台湾人のデジタル利用シーンに注目して、通勤をしてみました。

僕は台湾の東北端の基隆から台鉄(台湾の国鉄)、MRT(地下鉄)、バスを乗り継いで台北へ出勤しています。通勤時間はおよそ1時間。

日本ではまだ短いほうだと思われますが、ここ台湾だと「なんでそんな遠い会社へいくんだ?」とみんな不思議がります。

周りの台湾人の話ではほとんどが通勤に30分もかけないのが普通のようで、バスやバイク通勤が多いのです。僕は基隆の嫁の実家にマスオさん状態で寄生生活をしているのでやむをえません。

いつも朝7時30分頃の電車にのるのですが、台湾もその時間帯は通勤ラッシュです。半分くらいの人は日本と同じく居眠りをしています。

最近台湾でも過労死や残業問題がニュースでちらちらでています。皆さん仕事にお疲れのようです。

日本にはないなぁと感じるところもあります。

一つはお経の本を読んでいる人がいること。目立つほどではないのですが、お年寄りに限らず中年の方もいらっしゃいます。

もう一つは、妊婦、老人、赤ちゃんを抱えた方が乗車すると周りがすぐに座席を譲ること。日本のように狸寝入りをする方が非常に少ないです。これは台湾を見習わなければなりませんね。

台湾のIT生活
車内では特に30代くらいの方が多くスマホを熱心にこすっているのが目に付きます。日本ではスマホ普及率が6%だのといった記事(2011年11月)がでていましたが、
台湾で僕が通勤で利用する交通機関内に限って言えばスマホ普及率は30%はあります(あくまで主観のお話)。

使っているスマホをみていると、やはりiPhoneが多いようですが最近はアンドロイドが目立って増えているような気がします。HTCの起動する音楽がここかしこから聞こえてきます。

またタブレットユーザーも目に付きます。iPadが出たばかりの頃車内で使っている人の周りで、皆さんそれとなく画面を一生懸命覗き込もうとしていたのが印象に残っています。

みんなスマホで何してるんだろうとこっそりのぞきこんでみました。

やはり多いのはフェイスブック。台湾での普及率は48%と日本の3.8%を大きく引き離すほどで、みんな車内でも社内でもチェックに余念がないようです。そしてやはり音楽や映画鑑賞も多いです。

最近台湾でも無線ネット環境が完備され、公共機関では無料で無線サービスが利用できる場所が広がりました。果ては一部バスの中でも利用できます。

台湾のデジタルマナーですが、台湾も「噺家のITな日々」に紹介されている日本と似たりよったり。

車内で延々と大きな声で電話で世間話をするおばさん(家庭事情が丸わかりです)、車内に響くほど大きな着信音を設定している学生(なぜかテレビでドラえもんのタイトルコールで流れる音をよく耳にする)とかいます。まあまだ許容範囲です。

よくもわるくも台湾のネット環境は現在どんどん拡大中です。そんなデジタル台湾をみなさんに紹介して、すこしでも台湾に興味をもっていただければ幸いです。
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