「台湾は本当にバイクが多い」と台湾に初めてくる方によく言われます。
確かに台湾では通勤でバイクを使う人が非常に多いです。赤信号で停車した車の周りは、先を急ぐバイクがどんどんつめより、わずかな隙間を前へ前へと進んできます。
僕も日本からの車の運転免許証を台湾で切り替えて車を運転しているのですが、バイクが無謀に走ってくるのでどうしても運転が慎重になります。こんな状況だとどうしても日本の自動車教習所で学んだあの「かもしれない運転」モードにならざるをえません。
つまり飛び出してくるかもしれない、急にハンドルを切ってくるかもしれない、急ブレーキをかけるかもしれない・・といった超悲観的な視点から様々な可能性を考えて、十分に余裕を持った運転をするわけです。
台湾人の「かもしれない運転」とは?
今度は逆にバイクに乗る台湾人の心理を見てみます。
以前勤めていた会社で台北郊外に営業にいくとき、僕はたびたび技術者の台湾人R君のバイクの後ろに乗りました。正直何度も死ぬ思いをしました。
彼の運転は基本的にアクセル全開。雨が降ろうと路面に水溜りがあろうとお構いなし。
もっと怖いのが、前を走る車の隙間を見つけてどんどん追い越しをかけることです。バスが走るほんのわずかな隙間をフルスピードですり抜けるときは、目をつむって息子に最期のメッセージをテレパシーでおくったものです
車道の外側をすり抜けるだけではなく、場合によっては内側の車線から追い越しをかけるときもあります。
そんな彼の運転におののきながら感じたのは、台湾では同じ「かもしれない運転」でも、追い越しができる、まだ前に進める「かもしれない運転」なのではないかということです。
台湾人と日本人の「かもしれない」人生の違い
同じ「かもしれない人生」でも日本人と台湾人はとらえ方が異なる
こうした台湾と日本の「かもしれない運転」の考え方の違いは、生き方にも反映しているように感じます。台湾ではサラリーマンより老闆(ラオバン)になる生き方、つまり独立して社長になる生き方が受けるようです。上は企業の社長から下は屋台のおやじまで、一国一城の主は台湾人の憧れです。
今でこそ日本も脱サラだのノマドだの言い始めていますが、基本はサラリーマンに甘んじるケースが多いです。
これを先の「かもしれない運転」に当てはまると、台湾人なら「独立してもっと金儲けができるかもしれない」生き方、日本人は独立なんかしてもうまくやっていけないかもしれない、失敗するかもしれない(からやめとこう)」生き方という感じでしょうか?
台湾で日本の安全運転を続けるとどうなるか?
台湾在住が非常に長い方から聞いた話によると、日本人は台湾で運転しない方がいいそうです。
その人の話によると、昔交通トラブルに巻き込まれたとある日本人ドライバーは、何度も何度も高額で納得のいかないお金を請求されて、耐えきれなくて日本へ逃げていったそうです。
そんなこともあり僕がハンドルを握る時は、ゆっくりと日本式かもしれない運転を心がけています。
しかし運転を交代で乗っている台湾人の嫁は当然「行けるかもしれない」運転で、正直横に座っているとちょっと怖いです。しかも僕が相変わらずの「かもしれない運転」に徹していると、「あなたはなぜそんなにとろとろ走るの?」なんて言われる始末。
さらには道に合流してくる車がたくさん強引に割り込んできて、まったく前に進めなくて困っていると横に座っていた嫁が我慢が出来なくなったのか僕が握るハンドルのクラクションを横からたくさん押し始めたりもしました。
日本の譲り合い精神を台湾人ドライバーやそして台湾の自分の身内にも理解してもらうことは難しいようです。
やはり交通に関しては日本スタンダードでいくとかえって安全を保てないどころか、目的地までもつかない「かもしれない」です。
2回目の台湾旅行のお供に
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