台湾でもブラック企業は存在する
僕は台湾でいくつかとんでもない会社に縁があり、不本意にも会社を転々と転職することを繰り返したことがありました。そのなかでも一番戸惑ったのは創業者がいまだ現役で活躍している会社でした。

台湾では起業家精神が旺盛で、将来は「老板(ラオバン、社長という意味)」になるという野望を持った人が多いと聞きます。そのせいか中小の企業が乱立し、数年もたたずにその多くが淘汰されていくようです。

台湾では家族企業がそのまま発展していくケースが多く、在籍をしていると「入社=社長の家にご奉公」といった感覚がします。

こうした会社に就職した場合、どんな台湾就職生活を送ることになるか、僕が経験した事例でまとめてみました。

1.創業者の血縁者ばかり
台湾の会社は創業者血縁者ばかり
周りは社長の血縁者ばかり
会社に入社した当初はわからなかったのですが、次第に要職についている上司のほとんどが社長の親類縁者であることが他の従業員からの話でだんだんわかってきます。だからうかつに会社や上司の悪口が言えません。

親類縁者である上司も創業者の意を組んで熱意を持って仕事をされているヒトもいますが、きわめてマイペースの方もちらほら。社長も身内がかわいいのか、あきらかに仕事ぶりが悪い上司をみても見て見ぬふり。でもその身内の身なりからは給与をたくさんもらっているのはあきらかにわかります。

そしてそのしわ寄せは非血縁者に確実にのしかかります。

低賃金、長時間労働で、ヒトは入ってはどんどん辞めて行きます。社内に残った社員は創業時、もしくは会社躍進時に入社した年配の方ばかりでまったく世代交代がすすみません。

2.創業者夫人の影響力が強い
創業者夫人の力は無視できない
創業者夫人の存在は非常に大きい
特に創業者夫人が社内に幅をきかせている場合は事態が深刻です。創業者が不在のときは、社内の善悪の価値観は夫人の感情に左右されてしまいます。
 
会社の発展、創業者一家の財力はあきらかに創業者の才覚によるものなのに、ご自身にも同様な才覚があると勘違いされていると、周りの社員は大きな不幸にさいなまれます。

僕が経験した事例では実際に会社の運営を切り盛りする古参幹部とは感情的に対立し、思いつきに近い、そして現実にはおよそそぐわない指示を乱発して現場はいつも大混乱。そんな夫人に逆らったものは、間違いなくいろいろな理由をつけてクビになります。

社用車を私用で使ったり、従業員に自分の引越しを手伝わせたりと公私の区別があまりついていないこともしばしば。ご自宅の残り物が翌日の社員の昼ごはんとして供されるときもありました。

3.創業者が神様
従業員にとって神様は創業者
従業員にとってはお客様より創業者のほうが神様
なにはともあれどの会社にも共通して言えるのは創業者は会社の神様です。社長の言葉はなににつけても最優先。「入社=社長の家にご奉公」なので、会社の制度などあってないもの。

入社させてあげた「御恩」返しとして、本人の家族の状況よりも会社優先で単身赴任で僻地に飛ばされたヒトもいました。

会社はもうある程度大きくなって、昔とは違うのにいまだにすべての見積もりや決定に関与していることもあります。まだ安心できないのでしょうか?

日本から台湾就職を目指す皆さんの参考になれば幸いです。

2回目の台湾旅行のお供に


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