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これから基隆が面白くなるかもしれないと期待する話
写真の通り基隆市民であれば、今年は大凶作と伝えられる秋刀魚が基隆のこのレストランで半額で食べられるそうです。
基隆といえば、これまで台湾でもあまりいいイメージはなかったように感じます。
そんな基隆ですが、今年(2020年)は国慶節(建国記念日)の晩餐会が行われました。
また本来台北との間に引かれることになっていたライトレールが、最新のニュースでは、またMRT規格にグレードアップすることになったそうです。
過去記事
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基隆のこうしたイメージアップに大きく関係しているのが、現市長林右昌。
長年の国民党地盤を覆し、若干49歳の若さで現在市長の2期目を勤めています。報道によれば、次回台北市長選挙候補にもあげられています。
なんとか次回の県市幸福指数大調査で基隆の順位をががーんと上げて欲しいところです。(ちなみに2019年度は20県市のうち19位でした)
台北から基隆行きの電車がなくなるかもしれない話
問題は、基隆は平地が少ないので、路線は既存の台湾鉄道(台鐵)とほぼ併走せざるをえないことです。
八堵-基隆間に至ってはレールを共有せざるを得ない状態です。このためこの区間について台鐵路線を廃止する声があがってきています。
現在多くの基隆市民が台鐵で台北に通勤しています。廃線になっても、軽軌に乗って八堵で台鐵に乗り換えればよいだけの話ですが、やはり以前より不便になることは否めません。
軽軌導入には当然メリットもあります。
台北-基隆間を含む台湾東部を走る台鐵路線には、花蓮や台東行きの自強号や太魯閣(タラコ)号といった遠距離特急が多く走ります。
こうした特急は通勤で使用する各駅停車より優先されるため、通勤列車は往々にして、通過待ちを強いられます。
悲しいことに特急電車はよく遅れが発生するため、通勤電車は更に駅で待たされることになります。
軽軌を導入すれば台鐵とは別線路となるため、特急電車に影響されることはありません。しかも朝晩の増便が容易です。
また選挙の争点になるのか?基隆交通問題
台湾では2022年に市長選挙、2024年に総統、立法院選挙があります。新鋭の基隆市長林右昌(民進党)は、当然断固台鐵路線の廃止に反対しています。
次回選挙をにらみ、またこの交通問題が基隆市民には大きな政治的争点になりそうです。
台湾の電車の指定座席をめぐって考える日本人的発想について
台湾の基隆に在住している僕は、台北にある会社の行き帰りに電車(台湾鉄道、以下略して台鉄)を利用しています。日本同様特急、急行、鈍行(各駅に止まる電車)の区別があり、大体自強号、莒光号、区間号がそれにあたるような感じです。
また乗る電車の種類によって購入する乗車券は異なりますし、鈍行以外は全席指定となっています。
ですが現在新竹から基隆、瑞芳までの間は悠遊カード(ゆうゆうカード)で乗車すれば、区間車の運賃で乗車が可能で、指定の席が空いていれば正規の乗車券を持った人が現れるまで座ることもできます。
特に座っていたからといって怒られたりするわけではありません。普通に乗車券を見せられて「ここ私の席です」と促されるだけなのです。しかし僕はなんだか罪悪感いっぱいになり、席を譲った後には恥ずかしさにいたたまれなくなり、そそくさと違う車両に移ってしまいます。
しかしほかの台湾人は至って何事もないように席を本来座るべき人に譲っているので、僕は考えすぎなのかなと思ったりしていました。
指定座席をめぐって発生した暴行事件
これは簡単にいうと指定席のチケットを持った男性と既にそこに座っていた老女の間で起きたトラブルでした。
初期の報道では、指定席券をちらつかせ老女に暴力をふるってまで無理やり席を譲らせようとした男性が悪いといったトーン一色でした。老女も包帯を巻いた姿で報道陣の前でいかに理不尽な目にあったかなんともしおらしく滔々と語っていました。
フェイスブックでわかったその真相とは
しかし当時現場に居合わせた他の乗客のフェイスブックの投稿で、事件は意外な方向に進展していきます。
実は老女が男性に暴力を振るわれたにはそれなりの事情があったのです。男性はいたって普通に指定席券を老女に見せて席を譲るよう促したのですが、老女は大きく反発。隣の車両に聞こえるくらい大声で「指定席を持っているくらいで何が偉い?」といった悪態をついたり、男性の身体をたたいたり、持っていた携帯電話をはたいて地面に落とし壊したりとやりたい放題。その老女の行動にたまりかねて男性が暴力をふるってしまったというのが真相のようでした。
この件を知って以来、座席を譲る際僕がいかに考えすぎだったかがよくわかりました。さすがにこの老女はやりすぎですが、もっと図太く生きていかなければと感じさせた事件でした。
また乗る電車の種類によって購入する乗車券は異なりますし、鈍行以外は全席指定となっています。
ですが現在新竹から基隆、瑞芳までの間は悠遊カード(ゆうゆうカード)で乗車すれば、区間車の運賃で乗車が可能で、指定の席が空いていれば正規の乗車券を持った人が現れるまで座ることもできます。
駅に停車するたび、誰か来ないか気になるわたし
小心者の僕は空いている席に座っていると、どうしても気持ちが落ち着きません。駅に停車するたびに誰か僕の席のところに来るのではないかとどきどきしてしまいます。特に座っていたからといって怒られたりするわけではありません。普通に乗車券を見せられて「ここ私の席です」と促されるだけなのです。しかし僕はなんだか罪悪感いっぱいになり、席を譲った後には恥ずかしさにいたたまれなくなり、そそくさと違う車両に移ってしまいます。
しかしほかの台湾人は至って何事もないように席を本来座るべき人に譲っているので、僕は考えすぎなのかなと思ったりしていました。
指定座席をめぐって発生した暴行事件
「席に座っていたからといってなぜ殴るのか?」と言う人にも原因があったようです
そんなとき、こうした座席をめぐる微妙なやり取りから台湾社会を揺るがす暴行事件がニュースで報道されるのを目にしました(2015年4月)。これは簡単にいうと指定席のチケットを持った男性と既にそこに座っていた老女の間で起きたトラブルでした。
初期の報道では、指定席券をちらつかせ老女に暴力をふるってまで無理やり席を譲らせようとした男性が悪いといったトーン一色でした。老女も包帯を巻いた姿で報道陣の前でいかに理不尽な目にあったかなんともしおらしく滔々と語っていました。
フェイスブックでわかったその真相とは
各駅停車なら安心です(台湾の各駅停車の電車)
しかし当時現場に居合わせた他の乗客のフェイスブックの投稿で、事件は意外な方向に進展していきます。
実は老女が男性に暴力を振るわれたにはそれなりの事情があったのです。男性はいたって普通に指定席券を老女に見せて席を譲るよう促したのですが、老女は大きく反発。隣の車両に聞こえるくらい大声で「指定席を持っているくらいで何が偉い?」といった悪態をついたり、男性の身体をたたいたり、持っていた携帯電話をはたいて地面に落とし壊したりとやりたい放題。その老女の行動にたまりかねて男性が暴力をふるってしまったというのが真相のようでした。
この件を知って以来、座席を譲る際僕がいかに考えすぎだったかがよくわかりました。さすがにこの老女はやりすぎですが、もっと図太く生きていかなければと感じさせた事件でした。
ガイコク人になって外国人の気持ちを考える 基隆で居留証を延長した話
日本の商品、アニメ、音楽が氾濫する台湾で生活していると、外国にいるという感覚が非常に薄れてきます。
日本語が話せる人も多くいることもあり、海外では一番日本に近いと感じます。
ただ忘れたころにやってくる外国人居留証の更新通知を手にすると、ふと我に返ってしまいます。
基隆の移民局は東南アジアの人ばかり
先日僕が住む台湾の基隆で、数年ぶりに居留証の延長申請に行ってきました。
手続きを行う基隆の移民局オフィスは、基隆市政府(市役所)の斜め向かいにあります。僕が訪れたときはオフィスは東南アジアや中国人ばかり。しかも女性ばかり。たぶん台湾人に嫁いだ人ばかりなのでしょう。
あたりを見渡しても白人は一人もいません。日本人はどうやら僕一人。聞くと戦前は日本人が非常に多かった基隆ですが、今は市内でも数えるくらいしかいないようです。
移民局の係員は中国語でしか対応してもらえないようです。ですからこのオフィスには日替わりでインドネシアやフィリピン、ベトナムの言葉ができる通訳ボランティアを置いています。
移民局の係員は大変フレンドリーで、どの外国人に対しても高慢な態度をとるような人はお見受けしませんでした。
長い順番を待っていると、突然移民局の決定に不満があったのか、大声をあげて闖入してきたベトナム人がいました。日本なら「別室にどうぞ」と裏でなだめたりすかしたりしそうな事態です。
しかしここではみんながいる目の前で、係員が優しく説明をしていました。なにやらクリーンな感じがします。ただその分処理が遅くなるので、待ち時間がかなり長くなってしまいました。
さらに台湾らしいところといえば、申請書の記載に書き間違いがあっても、修正テープで直しても差し支えないということです。日本なら少なくとも二重線に修正印、最悪書き直しになってもおかしくはありません。
台湾人と結婚して配偶者ビザを持っている場合、延長には現在の居留証、台湾の戸籍謄本、パスポートが必要です。
手続き自体は非常に簡単。係員に言えば新しい居留証を自宅まで書留で送ってくれるので、2度も足を運ぶ必要はありません。
また毎回の更新が不要な永久居留証なるものもあります。
説明によれば、普通の外国人は
1.台湾で連続5年間合法に居留していること
2.かつ1年のうち183日以上台湾に在留していること
という条件がそろっていればその後2年の間に申請が可能
また僕のように台湾人の配偶者の場合
1.台湾に10年以上合法に居留していること
2.そのうち5年は毎年183日以上台湾に在留していること
という条件がそろっていればその後2年の間に申請が可能
となっているようです。
普通に居留証の延長をした場合、1年あたり1000元の費用が発生します。永久居留証の場合、1回限りで手数料は10,000元。今後さらに10年以上住むなら元は取れます。
しかし、入出国の証明書や、個人の財産証明、無犯罪証明など必要な書類がたくさんあったり、面接まであったりするのでかなり面倒。
ということで僕は申請する気持ちは萎えました。
ガイコク人になってみると外国人の気持ちがわかる!?
日本にいるとなかなか外国人のこうした手続きについて知る機会はそうそうありません。日本は日本のルールがあるので台湾の場合とはかなり異なるとは思いますが、なにかと面倒なことであることは変わりません。
また申請書や掲示物などすべて現地の言葉で書かれているより、自国の言葉で書かれてあるほうがなんとなく安心します。
日本にいるときはまったくそんなこと知ったり考えたことはありませんでした。近頃日本でも在日外国人の問題がよく報道されています。以前まで自分自身のなかで、「日本にいるのなら日本のルールを守れ。日本にいるのなら日本語を理解して」なんて傲慢なことを薄っすら考えていたこともありました。
しかし自分自身が外国人の経験をしてその立場に立ってみることで、日本にいる外国人の気持ちが少しではありますがわかるような気がしました。
日本語が話せる人も多くいることもあり、海外では一番日本に近いと感じます。
ただ忘れたころにやってくる外国人居留証の更新通知を手にすると、ふと我に返ってしまいます。
基隆の移民局は東南アジアの人ばかり
先日僕が住む台湾の基隆で、数年ぶりに居留証の延長申請に行ってきました。
手続きを行う基隆の移民局オフィスは、基隆市政府(市役所)の斜め向かいにあります。僕が訪れたときはオフィスは東南アジアや中国人ばかり。しかも女性ばかり。たぶん台湾人に嫁いだ人ばかりなのでしょう。
あたりを見渡しても白人は一人もいません。日本人はどうやら僕一人。聞くと戦前は日本人が非常に多かった基隆ですが、今は市内でも数えるくらいしかいないようです。
移民局の係員は中国語でしか対応してもらえないようです。ですからこのオフィスには日替わりでインドネシアやフィリピン、ベトナムの言葉ができる通訳ボランティアを置いています。
基隆の移民局にあった通訳の出勤表 東南アジアの言語ばかり。
基隆のオフィスには日本語が話せる人はいないようでした。台北なら日本人が非常に多いので状況は異なると思います。移民局の係員は大変フレンドリーで、どの外国人に対しても高慢な態度をとるような人はお見受けしませんでした。
長い順番を待っていると、突然移民局の決定に不満があったのか、大声をあげて闖入してきたベトナム人がいました。日本なら「別室にどうぞ」と裏でなだめたりすかしたりしそうな事態です。
しかしここではみんながいる目の前で、係員が優しく説明をしていました。なにやらクリーンな感じがします。ただその分処理が遅くなるので、待ち時間がかなり長くなってしまいました。
さらに台湾らしいところといえば、申請書の記載に書き間違いがあっても、修正テープで直しても差し支えないということです。日本なら少なくとも二重線に修正印、最悪書き直しになってもおかしくはありません。
毎週日曜日、台北駅に集結する外国人 東南アジアからきた外国人でいっぱい
ようやく僕の番がきました。永久居留証の要件とは?
台湾人と結婚して配偶者ビザを持っている場合、延長には現在の居留証、台湾の戸籍謄本、パスポートが必要です。
手続き自体は非常に簡単。係員に言えば新しい居留証を自宅まで書留で送ってくれるので、2度も足を運ぶ必要はありません。
また毎回の更新が不要な永久居留証なるものもあります。
説明によれば、普通の外国人は
1.台湾で連続5年間合法に居留していること
2.かつ1年のうち183日以上台湾に在留していること
という条件がそろっていればその後2年の間に申請が可能
また僕のように台湾人の配偶者の場合
1.台湾に10年以上合法に居留していること
2.そのうち5年は毎年183日以上台湾に在留していること
という条件がそろっていればその後2年の間に申請が可能
となっているようです。
普通に居留証の延長をした場合、1年あたり1000元の費用が発生します。永久居留証の場合、1回限りで手数料は10,000元。今後さらに10年以上住むなら元は取れます。
しかし、入出国の証明書や、個人の財産証明、無犯罪証明など必要な書類がたくさんあったり、面接まであったりするのでかなり面倒。
ということで僕は申請する気持ちは萎えました。
ガイコク人になってみると外国人の気持ちがわかる!?
日本にいるとなかなか外国人のこうした手続きについて知る機会はそうそうありません。日本は日本のルールがあるので台湾の場合とはかなり異なるとは思いますが、なにかと面倒なことであることは変わりません。
また申請書や掲示物などすべて現地の言葉で書かれているより、自国の言葉で書かれてあるほうがなんとなく安心します。
日本にいるときはまったくそんなこと知ったり考えたことはありませんでした。近頃日本でも在日外国人の問題がよく報道されています。以前まで自分自身のなかで、「日本にいるのなら日本のルールを守れ。日本にいるのなら日本語を理解して」なんて傲慢なことを薄っすら考えていたこともありました。
しかし自分自身が外国人の経験をしてその立場に立ってみることで、日本にいる外国人の気持ちが少しではありますがわかるような気がしました。