台湾基隆市になぜ岡山県人が住んでいるのか?

私は岡山県倉敷市出身で、2007年3月に岡山を離れ台湾の北東にある港町、基隆市に住んでいます。 台湾でのサラリーマン生活で感じた個人的な感想をブログで書かせていただいています。

Tag:帰国

コロナ渦中でありましたが、先日日本から台湾に戻ってきました。


新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、台湾ではしばらく外国人は原則入国禁止でした。しかし私が台湾に入国した日(2020年7月4日)の少し前から、観光・就学以外であれば台湾当局から特別な許可があれば入国できるようになりました。

しかし台湾到着後、外国人であろうと台湾人であろうと、台湾での住居あるいは指定された場所で14日間待機する「居家検疫」(在宅検疫)が義務付けられています。

このブログでは、こんな厳戒態勢のなかどうやって台湾の自宅に帰ってきたかについて書かせていただきます。

1.拍子抜けの台湾入国
台湾入国時に検疫に見せたスマホの画面
関空からは昼過ぎの飛行機に乗って、午後3時過ぎに台湾に着きました。乗客は以前(2020年5月2日)台湾から搭乗した時(搭乗者14人)より3~4倍はあったように見えました。日本人も多く、赤ちゃん連れの若い夫婦もお見受けしました。それでも飛行機内はがらがらです。

また日本のように検疫でPCR検査とかで時間がかかるだろうと早足で先を急いで出てきたのですが、なんと桃園空港では検査は全くなし。

(日本入国時の検疫状況はこちら)

おなじみの体温を測る検疫ブースを越えると、係員から旅客居家検疫電子申報証明という検疫事前申告システムから送信されてきたショートメッセージを出すよう促されます。メッセージのリンクをクリックすると、日本出国前に入力した内容が表示されます(上の写真 左がショートメッセージ 右がシステム入力内容の確認画面)。

これを確認して、検疫は終了です(嘘の申告は15万元(日本円約54万円の罰金)です)。あのコロナ対策で世界のトップを走る台湾なのに、こんな簡単に入国できるのかとかなり拍子抜けです。

2.全身消毒と防疫タクシー
台北市内の防疫ホテル 画面左下にタオルが山積
これから14日間の在宅検疫になるわけですが、私は嫁が事前に予約をいれてもらった台北市内の防疫ホテルで過ごすことになりました。

台湾の自宅で過ごしても良さそうだと思ったのですが、年寄り(65歳以上)や子供(6歳以下)と同居ではだめだと規定があるようです。

大きな荷物を提げて桃園空港のロビーに出てきたのですが、空港はかなりがらんとしてこのまま家に帰ってもだれも気がつかないではないかと思えるほどほったらかしの状態です。

あまりに不安になってきて、インフォメーションブースのようなところにいた女性に聞いて防疫タクシー乗り場に連れて行ってもらいました。

そこはただの空港タクシー乗り場で、今はすべて防疫タクシーになっているようです。

乗り場近くにあるブースで受付をし、順番にタクシーに乗ってきます。普通の空港タクシーと違うところは、運転手がほぼ完全武装であること、乗客の服の上から大量のアルコールがふきつけられることです(万歳をさせられ、顔から下の全て、アルコール消毒です)。

3.Uber Eatsで始まる 14日間の防疫生活
部屋に準備された水14日分(30本)
私のホテルは台北西門町にあり、チェックインを済ますとすぐに部屋に通されました。部屋は至って普通です。

部屋には合計30本程度のミネラルウオーター、4回分くらいの歯ブラシやタオル、おかしの小さな袋、コーヒー粉などが準備されています。

部屋代は1500元/日で、別個に300元/日でホテル側が朝昼晩の食事をアレンジしてくれます。ただどんな食事かは完全ホテル任せなので、私はこの機会に台湾で今流行の「Uber Eats(デリバリーフードサービス)」デビューすることにしました。

UberEatの画面 食事だけが唯一の楽しみ
部屋から出ることはご法度で、誰とも面会はできません。会うことができるのは日に二回体温を測りにくるホテルの従業員と「Uber Eats」の配達員だけ。

しかし数日後から、体温計測もほったらかし状態(たまに忘れた頃にやってくる)。「Uber Eats」の配達員も受け渡しがホテルのフロントまでになってしまい、代わりにホテルの従業員が持ってきて部屋の戸ノブにかけて置くようになってしまいました。

また毎朝、台湾の中央流行疫情指揮中心からショートメッセージが入り、健康状態を回答しなければなりません(下写真の左と中)。更には外国人は警察外事科の監視下におかれているようで、ホテルを管轄する警察署から毎日ラインで連絡が入ります(下写真の右)。
左・中:中央流行疫情式中心から 右:警察局から
ネット環境は備わっているので平日は仕事をしていますが、しばらく誰にも会えないのはやはりさびしい。そして「Uber Eats」の食事だけが楽しみの隔離生活はようやく半分が過ぎました(2020年7月10日現在)。

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関西空港検疫前の待機場所
1.5月2日正午前 関西空港到着、そして検疫
到着前から機内では、検疫に向けた書類にいくつか記載を求められました。

機内で配られた入国前の大切なお知らせ
                             機内で配られた入国前の大切なお知らせ(右側)
空港での検疫受入体制の都合のためだと思われますが、機内放送で、到着後1時間程度は機内で待機することになる旨伝えられました。

私もそれは覚悟していたのですが、なぜか10分も立たないうちに機外に出ることができるようになりました。

検疫ブースまでの道のりはそんなに遠くはありませんでした。搭乗ゲートの近くを通りましたが、ほとんど搭乗者らしき人は見受けられません。

検疫ブースに下りる階段の手前で、通路に等間隔に椅子が並べられ、いよいよ検疫の準備が始まります。

職員から書類を渡され、記載をしていきます。

検疫前に記載する書類
      検疫所からのお知らせ ここに帰国後のスケジュールの記載も求められる
検疫ブースの空き状況を待って、職員の指示で何人かずつ階下に誘導されていきます。検疫ブース付近は職員全員がほぼ完全武装をしており、緊張感が伝わってきます。

そして順番を待って、ひとりひとりPCR検査室に入れられ、検査を行います。鼻から綿棒を入れて検査を行うもので、5分もたたずに終了です。

2.あなたはどうやって帰宅しますか?

関空から岡山までの自動車ルート
        Googleマップによれば、関空→岡山は車で約3時間かかる
実は一番やっかいだったのは、PCR検査が終わってからでした。

検疫前に渡された書類には、今後のスケジュール、つまりどうやって家まで帰るかを記載することになっています。

国内への移動は、誰か迎えに来るか、自分でレンタカーで帰るか二択しかありません。

私の場合、いつ関西空港から出られるのか全く予想できなかったため、当日は空港、または指定のホテルに泊まり、翌日にレンタカーで岡山まで帰る段取りを考えてすでに予約をしていました。

関西空港から岡山まで、グーグルの予想では高速道路を乗り継いでも約4時間かかるといいます。

またコロナ禍の影響で、レンタカー店舗の営業時間が軒並み短縮しており、夜7時には岡山の支店は閉まってしまいます。当日にレンタカーに乗っても渋滞などトラブルが少しでも起これば、返却に間に合わなくなります。

しかし意外にも検査が早く終了(午後2時前)し、検査結果が出ないうちから空港から出ても良いことがわかりました。ですが、今更仕方がないので、計画とおり指定のホテルに宿泊することにしました。

以前に成田空港は帰国者が多くてホテルが足りず、空港内で夜を明かした人が多くいたというニュースを見ていました。

しかしもう帰国のピークも過ぎ、また今は関空は週に1日程度しか国際便が来ないこともあり、空港に泊まらなければならないということはありませんでした。

3.ホテルへ

隔離場所に移動するバスの中
       ホテルへ向かうバスは感染予防のためか目張りまではいってます。
ホテルに宿泊せざるを得ない人は、検疫終了後入国審査前の状態で別のエリアに集められます。この後団体行動でホテルまで誘導するためです。

結局数少ないその日の便で帰国した人で、ホテルに宿泊する人が全員そろうまでおおよそ1時間30分程度待ちました。

5-6人足らずのメンバーがそろうのになぜそんなに時間がかかったのか?

理由の一つに、高齢の方の多くが「国内移動はできない」ことを理解できていなかったことがあげられます。

多くが電車で帰ることができると思い込んでおり、迎えの手配ができておらず大慌ての状況でした。

メンバーがそろった上で、みんな一緒に入国審査ゲートを通り、出口へ向かいます。当然ロビーはガラガラでほとんど誰もいません。

我々は係員の誘導のもと、自衛隊が手配したバスまで歩いていきます。

このバスがまた過剰にウイルス対策をしているようで、車の下の荷物置き場からしっかりビニールが敷かれています。

車内に入るとこれまたびっくり。シートというシートはすべてビニールで覆われ、窓は全面目張りです。武漢から帰国した方々が国内ホテルに移動したときと全く同じようです。
シートはすべてビニール
         バスのシートはビニール張り
行き先のホテルは同じ空港島内にある「ホテル日航関西空港」ですが、バスが動き出してから到着まで約20分程度かかりました。歩いて5分くらいのところのはずですが、ぐるぐる回っていた印象です(目張りが張っているのでどういうルートを通ったのかはよくわかりません)。

不安は続きます。

(その3 ホテルそして岡山へ に続く)

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コロナ禍の桃園空港チェックイン
            コロナ禍の桃園空港チェックイン風景(2020.5.2撮影)
家族に抜き差しならぬ緊急事態が発生し、このコロナ渦の中、台湾から日本岡山県の実家に戻ることになりました。多くの人が飛行機での往来を控える中、飛行機、空港、検疫、日本国内の移動など入手できる情報は非常に限られており、大変不安な帰国の日々を過ごしました。

現在日本でもコロナの影響は次第に緩和されつつあり、今後の日本への帰国は私の経験よりも改善されると思われます。

それでも、今後私のように緊急で日本に帰国するような方の手助けになればと思い、この記事を作りました。参考になれば幸いです。

1.チケットを取るまで
コロナ禍ではチケットの予約もままならない
 コロナ禍では台湾でも飛行機チケットの予約もままならない

帰国に際し、まずネックとなったのが飛行機の予約でした。普段であれば日本ー台湾間には毎日数多くのフライトがありますが、このコロナ渦の中、どんどんフライトがキャンセルになってしまいました。

そもそも岡山には格安航空のタイガーエアが定期便で台湾との間を毎日飛んでおり、帰ろうと思えばすぐに予約して帰ることができると甘く考えていました。

ところが、タイガーエアどころか普通の航空会社も3月ころから軒並み欠航などスケジュールが変更され、私に残されたルートは桃園→関西空港しかありませんでした。

そこで、私は5月2日発エバー航空(長栄)BR132に予約をいれました。予約は航空会社のホームページから行いましたが、フライトがいつあるのかといった案内が全くなく、日付を一日ずつ入力して確認しなければなりませんでした。

搭乗者が限られているせいか、フライト料金はやはり高額でした。

2.台湾出国(2020年5月2日AM8:30)
フェイスシールドで空港に着いた筆者
             
フェイスシールド姿で桃園空港に入った筆者

妻に車で送られて朝6時過ぎに台北国際空港(桃園空港)に着きました。想像通り、空港内には搭乗する人は普段よりかなり少なかったです。どちらかというと空港職員の方が目に付きました。

気になるのは皆さんの服装。

私は嫁が近所の伝統市場で売っていたフェイスシールドを装着して空港に入りました。

しかし意外にも空港職員も含めて、そこまでの準備をしている人はほとんどいません。マスクだけの方が多い中、唯一私より重装備だったのはこのヒト。
重装備でチェックインする男性
  桃園空港でコロナ対策が1番すごかった男性(2020.5.2撮影)

その後出国手続きを経て搭乗ゲートまで進みました。

チェックイン時に聞いた話ではBR132に搭乗する人はたった14名。搭乗者には数人の日本人ビジネスマンも混じっていました。

やはり人数が少ないせいか、座席はあるエリアに集められており、いくらか間隔をあけて座るようになっていました。

スチュワーデスの服装は写真の通り。機内ではほとんどサービスはありません。

コロナ禍のエバー機内
         スチュワーデスも完全コロナ対策装備(写真左上)        

そして出てきた機内食は・・・・。

コロナ禍の機内食の入った袋
                                         コロナ禍で配られた機内食

コロナ禍の機内食
                                                   中身はこんな感じ


飛行機は定刻より少し早く関西国際空港に向けて着陸を始めました。
(その2 関西空港の検疫 に続く)

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