台湾基隆市になぜ岡山県人が住んでいるのか?

私は岡山県倉敷市出身で、2007年3月に岡山を離れ台湾の北東にある港町、基隆市に住んでいます。 台湾でのサラリーマン生活で感じた個人的な感想をブログで書かせていただいています。

Tag:日系企業

台湾のヘッドハンターとは?台湾人の嫁の友達の関係で、ヘッドハンターの方と知り合う機会がありました。なにやら日本人求人があり、台湾で働く日本人を探しているというのです。

あわよくば何かのはずみで高給の仕事にめぐり合えるかもしれないと嫁もけしかけるので、半分期待と半分好奇心でこのヘッドハンターと連絡を取り、オフィスに訪ねることにしました。 

実際のヘッドハンターとは?
事前に履歴書をメールで送ったのですが、それからの面談の時間を相談するメールは英語のやりとりばかり。

さぞや欧米かえりの切れ者が待ち受けているのだろう、僕のような41歳のくたびれたダメリーマンがオフィスの戸をたたいても、監視カメラでチェックが入り、居留守でも使われるかもしれない・・・・・・・。

オフィス訪問すると、コンタクトをとってきたピーターさん(仮称)が人なつこい笑顔で出てこられました。年は50過ぎ。意外にも服装は台湾のこら辺にいるおじさんそのもので、オフィスのインテリアもそう高級そうではありません。私のヘッドハンターに対するイメージは若干調整を強いられることになりました。

やはり厳しい ヘッドハンター
しかし面談は本当に大変でした。中国語面談なので、中国語そのものがあまり得意ではない僕にはかなりしんどい。しかもピーターさんの中国語も英語交じりなので、英語にも不慣れな僕には二重の苦しみ。

質問も過去の仕事の内容ばかりではなく、考え方とかいった抽象的なところまで聞かれました。たとえ日本語であってもしんどい。スーツにアイロンかける暇があったら面接トレーニングでもしておけばよかったです。

台湾のヘッドハンティングについて
一通りの面談がおわったところで、このピーターさんに現在の台湾のヘッドハンティング業についていろいろお話を伺ってみました。

台湾では内部の人材に長期的に投資をして育てることはなかなか難しいようです。なぜなら人材の流動が激しく、いつやめるかわからない人材に時間や費用をかけていられないからです。

となると足りない人材は外から補強することになります。時代のスピードがこれだけ速い現在、求められる人材像の変化も激しく、いちいち自社でまかなうのも大変。だから狭い台湾に300ものハンティング会社がひしめくことにもなったようです。

台湾就職はコネクション
それではハンターはどうやって人材の需要と供給のニーズを探し当てるのでしょうか?ピーターさんの話によればすべて「コネクション」なのだそうです。会社の人事部に営業にいったりするわけではないのです。

そういわれると確かに台湾系の会社は求人に際して、ネットの人力銀行等も使うようですが、社員の身内や友達といったコネクションからツテをたどっていくケースも多いと聞きます。ハンターも会社の人事部の面々、果ては会社の幹部、社長に至るまでコネクションを張り巡らせてビジネスの機会をうかがっているのです。

これだけ人材の流動性が高い台湾では、より信頼できるヒトからの紹介のほうがあてにできるということなのでしょう。

だから台湾で就職を考えるのであれば、よりたくさんの台湾人の知り合いを増やすことが成功への足がかりかもしれません。台湾でフェイスブックが流行するのもこれが一因なのかなと感じたりしました。 
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ネットで台湾とビジネス
台湾にはOEM(生産受託)を行う会社が多いです。

シャープとの提携の件で話題になった、台湾の鴻海精密工業(ホンハイ社)も、アップル社にiPhoneやiPodのOEM供給を行っていることで有名です。

今台湾の多くのOEM会社も、コストダウンをはかって海外に目を向ける日本企業を狙って接近をはかっています。

僕が勤める台湾の会社も例外ではなく、最近董事長命令で、パートナーとなる日系企業探しをすることになりました。そのときに出くわした日本企業の意外な対応をいくつか書いてみたいと思います。

お問い合わせが海外向けになっていない
台湾からパートナーを探そうとすれば、まずはネットで関連する会社を検索するところから始まります.。そこからいくつか会社のウェブサイトを閲覧してお問合せをするといった流れになります。

それにしても日本の会社のウェブサイトがここまでお粗末だとは思いませんでした。

規模の大小を問わずよく出くわしたのは、お問合せフォームがあまりにも不親切。入力方法に制限があるケースが多いのですが、あまりにも制限が厳しい。全角はだめとか、文字制限とか。なかには文章は200バイト以内までなんてものもあって、ITの知識がない人にはまったく意味がわからない。

海外からのお問合せを想定していないのか、住所欄に日本式の郵便番号(○○○○ー○○○)を入れなければならないのもありました(しかも必須事項)。

多分英語ページならこうしたものはないと信じたい(未確認)のですが、日本語ができる人が多い台湾人なら日本語ページからお問い合わせをするはず。

最悪なのは、正しく入力して送信ボタンを押してもエラー表示になる。多分この会社の人は自社のホームページを見たことがないのでしょう。

ウェブサイトはただの飾り?
無事送信できたとしてもさらに問題があります。

送信した翌日、サイトにある連絡先電話番号に台湾から電話をしても、お問い合わせ内容が担当者に伝わっていないことがしばしば。

「ホームページからのお問合せをしたものですが・・」と伝えても、はじめに電話をとるみなさんが誰につなげばよいか困っているようです。無事担当者につながっても、また一から説明をするはめになります。
問い合わせをしても話が通じない

日本人であるぼくがウェブサイトや電話で問合せをしてもこんな具合です。もし問合せをしているのが日本語がわからない外国人だったらどうなんだろう?
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当然のことながら、現在台湾のどの会社もすでにPC環境が整えられ、仕事の手段としてメールが当たり前のように使われています。

またこれも当然のことですが、台湾でも仕事に専念しないPC通の方が職場を跋扈しています。多くの台湾の会社のPCのセキュリティを見たり聞いたりする限り、本当に無法地帯だなと感じざるをえません。

業務中なのにネットサーフィンに忙しい台湾人
台湾ではソーシャルネットワークを利用する人が非常に多いと感じます。特にフェイスブックやMSNを使っているのをよく見かけます。業務中でも良く見かけます。

お客様の会社に伺ったときも、ちらりと台湾人のPC画面をみると従業員は一生懸命ネットサーフィンしていました。一生懸命ブログを書いている姿に遭遇したこともあります。

いまやこういったソーシャル系は書き込んだ時間がでることもあり、つながりのある台湾人の方の投稿時間などみていると、このヒト、暇なんだなぁ、なんで僕はこんなに忙しいんだろうと世の中の不公平に憤りを感じる次第です。

また業務に関係のないサイトを見ていて、ウイルスに感染したというのはよくある話です。

自社のファイルサーバーにエロ画像満載という事例も
最近びっくりしたのが、「オフィスのPCはすべて社員が持参の私物です」という会社があったことです。仕事が終われば家に持って帰るというのです。

これってセキュリティもへったくれもないような気がするのですが、そこの社長いわく「弊社は社員を信用していますから」だそうです。

台湾のオフィスでは、業務に関係ないソフトをいれまくってPCが動かなくなったとか、P2Pファイル共有ソフトをこっそりとそしてガンガンに使われることで社内のネットの速度がかなり遅くなっていたりとかよく耳にします。

そんな人たちのPCを社内のネットワークに入れて、本当に大丈夫なのでしょうか?

また私用の外付けのハードディスクやUSBをとりつけたりするのは日常茶飯事。果ては社員が自社のファイルサーバーにエロ画像を満載に保管して、メンテナンス業者に指摘されるまで知らなかった日本人経営者もいたと聞きます。

台湾人は転職もさかんで、転職サイトや人材会社も乱立しています。やめる前にごそっと会社のデータが持ち出されることがあってもおかしくないような気がします。

多分持ち出されても、それをいおうものなら自社のセキュリティの程度が露呈するのでいうにいえないとは思いますが・・・。

台湾の日系企業は大丈夫?
台湾には非常に多くの日系企業が進出しています。台湾でトップを勤めている方の多くが駐在です。

どなたも日本で総務関係をされてきたわけではないので、こうした情報システム関係はよくわからないからと台湾人スタッフに丸投げしている会社が非常に多いと感じます。

台湾人の離職流動性もさることながら、日本人の駐在も数年で帰国してしまうことから、こうした情報システム関係もうまく引き継がれることもなく、やがてだれも自社のネットワーク関係はわからなくなってしまうそんな恐ろしい光景が繰り返されるのです。

その一方で日本本社からリモートで厳格にPCを管理したり、セキュリティに詳しい駐在・経営者がオフィスに生体認証を導入したり、セキュリティの国際資格をとったりしている会社もあります。

そろそろ台湾でも日本の個人情報保護法のようなものが施行されるようで、漏洩した場合下手をすると中小の会社では軒並みに確実にふっとんでしまう罰金額を課せられるようです。

個人情報を取り扱う取り扱わないにせよ、オフィスの入り口にセコムを取り付けるだけではなく、会社のネットワーク、PCに対してもそろそろセキュリティを検討する時期にきているのではないでしょうか?
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